八街薫の日記
技術士(電気電子、情報工学、総合技術監理)を持つ計測制御系エンジニアです。継続研鑽の一環として資格取得等にチャレンジする様を描きます。
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技術士(情報工学部門)受験まとめ その5
自分の弱点ははっきりしていた。

業務経歴書を見れば、計測制御技術者の経歴であることは
明らかである。コンピュータ工学の要素を強調するような
表現上の工夫はしたが、やはり「本流」ではないと思われても
仕方がなかった。

前年の口頭試験では、電気電子部門の技術士であることには
あえて触れなかった。専門技術部門としては2部門目である
ことが試験官にわかった場合、不利になるのではないかと
考えていたからだ。しかし、試験官の言葉の端々に「あなた
の業務経歴にふさわしいのは情報工学部門-コンピュータ工学
なのですか?」という問いかけを感じた。2部門目であること
を最初に言っておけば良かったか、という後悔が残った。

今回の口頭試験では後悔はしたくないと思った。受験動機の
説明のときに、「私は計測制御技術者である。自分の守備
範囲として電気電子工学と情報工学があると考えている。
電気電子部門は登録済みなので今回情報工学部門を目指して
いる。」と最初に言っておこうと考えた。
「本流」ではないことをあえて伝えることにより、試験官の
疑問を払拭し、「情報工学部門へのふさわしさ」の判定のみに
神経を集中してもらおうと考えていた。また、技術士である
ことを知ってもらうことにより、一部の質問を簡略化して
もらい、専門知識や見識の確認に多くの時間を割いてもらおう
とも考えていた。

業務経歴と技術的体験論文のプレゼンは念入りに練習した。
何度も練習しているうちに余分な贅肉は取れてきたが、
業務経歴で2分、2業務の説明で7分はどうしても必要だった。
前年のように2業務で5分を要求されても7分しゃべろうと
腹をくくった。

口頭試験当日を迎えた。試験は16:00からだったが、フォーラム
エイトには約1時間半の余裕を見て到着した。いつもように
7Fで受付を済ますと、試験室は5Fの500号室。「5Fの
試験室でその日最後の受験者」は自分のラッキーパターンだった
ので、少し気分が軽くなった。

迷路のようなマークシティーをしばらく彷徨った後、フォーラム
エイトに戻り、待合い室になっている6Fのオリオンホールで
最後の復習をした。10分前に下の階に降り、試験室の前に
座って待機した。一人前の受験者が退出したのが予定時間の
2分前くらいだったので、緊張する暇もないうちに試験開始時刻
になった。

試験室から顔を出した主査の方は前年と同じ方だった。一気に
緊張が高まったが、入室して2人の副査の方々を確認すると
前年とは違う方々だった。向かって左側の副査の方は、顔に
見覚えがあった。前年度まで試験部会の情報工学の専門委員を
務めていた方だと思った。向かって右側の方は見覚えがなかった
が、後でネットで偶然その方と思われる写真を発見した。試験
部会の電気電子の専門委員の方だと思われる。向かって左側の
副査(副査A)が主に試験をリードし、右側の副査(副査B)
がつっこみを入れるという役割分担がなされているようだった。

最初は、予定どおり業務経歴と技術的体験論文のプレゼンだった。
今回は10分程度という時間指定だったので、準備したとおりに
しゃべることができた。
「さあ、いよいよだ。」身構える私に向かって、副査Aの方は
意外なことを言った。
「技術体験論文の内容については特に聞くことはないのですが、
一応全ての項目を確認することになっているので、これから
順番に質問します。」
内容については聞くことがない?一体どういう意味だろう。
完全に理解できたのか?そんなことはないだろう。とすれば、
門前払いだから聞くだけ無駄ということか?
混乱してる私に向かって、副査Aの方は最初の質問をした。
「技術士になりたいと思った動機は何ですか?」
技術士が必要な理由を業務と関連づけて説明した後に、予定
どおり電気電子部門の技術士であることを告げた。
すると、副査Aの方は「あー、なるほど。そういうことですか。
いや、道理であなたの経歴を見たときにいろいろと経験されて
いるように思ったものですから。ご専門は計測工学ですか?」
と言った。
やはり、コンピュータ工学らしくない経歴だと思われたらしい。
「それでは資質としては十分とは思いますが、これは情報工学
部門の試験なので、ひととおりの質問をさせていただきます。」

「まず、専門的知識の確認からまいります。情報工学をどうやって
勉強していますか?例えば、本を読むとか?」。
情報処理技術者試験を受験しており、高度区分を5つ合格している
ことを話すと、それで質問は終了した。

その後、副査Bの方と主査の方から技術体験論文の内容について
質問がいくつかあった。内容は厳しいものではなく、実施したのが
本人であることを確認するための質問のようだった。内容について
聞くことはないとは、どうやら副査Aご本人のことだけを言った
ものらしい。ただ、最後に副査Aの方がひとつ質問をした。
「この論文の中で用いている数学は、計測工学的な処理ですか。」
あまりコンピュータ工学では見かけないという意味なのかなと
と思いつつ次のように答えた。
「はい、あえて言えば数理工学的な処理と思っています。」

「それでは、技術に対する見識に関して質問します。」副査Aの
方は、必ず何に関する質問かを最初に宣言してくれるので、質問を
受ける方としてはやりやすかった。ここで聞かれた内容は次の
ようなものだった。
・今後どのように技術が発展すれば良いかと思うか?
・(答えた内容について)そのためはどのような技術が必要か?
・私のいる業界の動向についての質問
3番目の内容が多く、ほとんど雑談をしているかのようだった。

最後に技術者倫理と技術士法の内容についての質問が一つずつ
あった。
・技術者倫理を身につけるためにはどうすれば良いか
・技術士法の3義務2責務の内容

「これで質問は終わりです。次は是非、総合技術監理部門を目指し
てください。」と副査Aの方が言った。私が、登録済みである
ことを言うと、「そうでしたか。あなたの経歴であれば当然です
ね。」と言っていただいた。

「それでは、まだ時間がありますので、ご自分のことを自由に
アピールしてみてください。」と言われたので、計測・制御と
情報工学との関わりについて日頃考えていることや今後は後進
を育てたいという抱負などを語った。
「是非、若い技術士を育ててください。」最後に激励の言葉を
いただいた。

試験室を退出したのは、試験開始から37分後だった。
「次は是非、総合技術監理部門を・・・」と言われたときは、
合格のサインかと思った。しかし、単に業務経験が豊富だと
言われているだけで、コンピュータ工学にふさわしいかどうかは
別問題と言われているような気もしてきた。
等身大の自分を表現できたという達成感のようなものはあった
ので、これでだめなら何回受けても見込みはないのだろう、と
思った。結果には関係なく、これが最後の挑戦になるだろうと
思いはじめていた。

3月5日の合格発表日を迎えた。この日は用事で朝6時には出かけ
なければならなかったので、結果は携帯で確認しなければなら
ないだろうと思っていた。念のため技術士会、文部科学省、官
報の各ホームページを確認したが、やはり未発表だった。suki
yaki塾の掲示板に、技術士会会員限定の合否確認の「裏技」の
記事が出ていたので、早速「WEB名簿システム」で自分の会員
登録情報を検索してみた。情報工学-コンピュータ工学で二次
試験合格の情報が追加されていた。最終データ情報更新日は
2010/2/1になっていた。10日前に見たときにはなかったので、
おそらく当日に表示データを切り替えたのだろう。
おかげですっきりとした気持ちで出かけることができた。

正式な発表は、出先で携帯から確認した。今回のコンピュータ
工学の口頭試験合格率は75%で、過去2年間より上昇した。
最後の挑戦で合格をいただいたことに感謝したい。

(つづく)

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